今年の1月1日未明、靖国神社は遅い(早い?)時間でも、参拝者で賑わっていた。

時間が時間だけに、若い層の参拝者が多く、何かを考えさせられる光景であった。


ここで「靖国問題」を展開する前に、予めお断りしておく。

1つは、憲法99条の問題である。

私はこの条項があるから憲法を変えられないという解釈を行うつもりは毛頭無い。

しかし、憲法を守る義務を負った者が、憲法の精神に反する行動をとることはいかがなものかと思う。

その意味で、憲法99条をあえて俎上に乗せた。

1つは、小泉首相の靖国観の問題である。

拙ブログでも繰り返しているが、小泉首相が靖国に関心を持ったのは、首相就任後である。

そう、「郵政民営化」とは異なり、靖国は彼の政治信条ではない。

それ故に、首相就任がきっかけとなって、靖国に関心を深め靖国への参拝を行うようになった彼の靖国言動には底浅さを感じてしまう。

小泉流のパフォーマンスの疑いすら濃厚である。

だとすれば、これほど靖国をそして靖国信者を冒涜した話はない。

私は靖国信者ではないが、この点だけは靖国信者の皆様に同情申し上げる。


小泉首相の年頭会見から、靖国問題を取り上げた。

<小泉首相>靖国参拝「外交問題にならない」 年頭会見で  (Yahoo Japan News 毎日新聞)

(引用ここから)

小泉純一郎首相は4日午前、首相官邸で年頭の記者会見を行い、自らの靖国神社参拝について「外交問題にはならない」と正当性を強調、「外国政府が心の問題にまで介入して外交問題にしようとする姿勢は理解できない」と述べ、首脳会談を拒否している中国、韓国の対応を強く批判した。また、「ポスト小泉」人事については、9月の自民党総裁選が近づいた段階で自らの支持候補を表明する考えを示した。
首相は靖国神社参拝について「精神の自由、心の問題は誰も侵すことのできない憲法に保障されたものだ」と説明。「一国の首相が一国民として戦没者に哀悼の念を持って参拝することに日本人からおかしいとの批判が出るのはいまだに理解できない」とも述べた。

(引用ここまで)


天皇の年頭メッセージが味わい深い

「戦争の犠牲忘れずに」 即位17年、天皇ご一家  (Yahoo Japan News 共同通信)

(引用ここから)

天皇ご一家は1日、2006年の新春を迎えられた。天皇陛下は7日で即位17年。「私どもは戦争で亡くなった人々のことを決して忘れることなく、この多くの犠牲の上に今日の日本が築かれたことに思いを致さねばなりません」との感想を宮内庁を通じ発表した。

(引用ここまで)

2つのニュースを読み比べてみると・・・

天皇の感じる危機感のようなものが伝わってくる。


現在の天皇は、先の大戦で犠牲になった市井の人々への巡礼を欠かさない。

そして、その巡礼・慰問先に国籍は問わない。

漏れ伝わるにユースによれば、そこには宮内庁の意図よりも、天皇自身の意向が強く働いているという。


その意味で、憲法第99条の憲法尊重擁護の義務に最も忠実なのは天皇なのかもしれない。

憲法第99条 

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


それに比べ、小泉首相の憲法観はご都合主義である。

彼が憲法擁護を行う意図があれば、戦時下のイラクへの自衛隊派遣は行われなかった。

小泉首相の自衛隊のイラク派遣は、憲法よりもアメリカの意向が政権らとって優先課題であることを内外に示したものである。

その彼が、憲法で保障された精神の事由を持出すのは、おかしい。


さらに、

「一国の首相が一国民として戦没者に哀悼の念を持って参拝することに日本人からおかしいとの批判が出るのはいまだに理解できない」

というこの認識も、それこそ憲法に定めた思想信条の自由を冒涜している事実に気づかないのであろうか?


靖国神社は、戦没者を哀悼する場所として相応しくない。


中国や韓国が批判するからではない。

その場所は、戦争での犠牲(犬死)を命じた側が、戦死者というだけで同列に奉られている場所なのである。


そして、平和主義者の天皇は、靖国神社に戦没者追悼には行かない場所なのである。


戦前、天皇の名で兵士招集し、そして戦死者には靖国に奉ると約束した場所に、命令の最高責任者の子孫が行かない。

この意味を、小泉首相や靖国信者は重く受けとめるべきではなかろうか?


戦後、しばらくは皇族の靖国参拝はあったと聞く。

しかし、現実として途絶えている現状を認識すべきであろう。


純粋に国内問題として、天皇が訪れない施設が、戦没者に哀悼の意を捧げるのに相応しい場所なのか否かを・・・


靖国問題は、その意味で純粋に国内問題なのである。




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